広島、山口両労働局が、自動車メーカーのマツダに対し、派遣契約と直接雇用を繰り返して労働者派遣法に定められた3年の制限期間を実質的に超えて派遣労働者を受け入れたとして、3日付でマツダの本社工場(広島市南区など)と防府工場(山口県防府市)、派遣会社に、こうした雇用をしないよう是正指導したことが分かりました。
派遣法は、同一業務で派遣労働者を受け入れられる期間を最長3年間と規定。超えた場合は直接雇用するよう義務付けています。
労働局に申し立てていたのは元派遣労働者5人。厚生労働省の指針では、派遣終了後、新たな派遣を受け入れるまでの期間が3カ月以内の場合は、継続的な派遣とみなされます。両工場では、この3カ月を1日だけ超える期間について、4人を期間工として直接雇用。3カ月が過ぎると再び派遣社員に切り替えて雇い続けていました。残る1人も自分がいた職場で同様の雇用形態があったとして、計5人が、こうした形態は直接雇用義務を逃れる行為にあたるなどと3、4月に申告していました。5人は03〜08年に両工場の同じ職場で最長4年7カ月間働いていました。
労働局は、通算の派遣期間は実質的に3年を超えたと判断し、雇用形態を是正するよう文書で指導しました。一方、直接雇用の指導、勧告は手続き上の不備などの理由で見送ったということです。
マツダのグローバル広報企画部長は「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけではなく、法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯(しんし)に受け止める」と話しています。現在は不況の影響で製造現場の派遣労働者の削減が進み、「問題とされた雇用契約はない」とのことです。
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