厚生労働省は1日、市町村が運営する国民健康保険(国保)の財政運営を2018年度から都道府県に移す検討に入りました。現在、市町村の人口構成の違いなどから国保保険料は全国で5倍近い差があります。運営主体を都道府県に移して格差を縮める考えですが、新たに重い責任を負う都道府県の反発は必至で、実現へのハードルは高いものとなっております。
厚労省は75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度を廃止し、13年度から新しい制度に移行する方針を決めています。約1400万人いる75歳以上の8割強が国保に移り、その部分の運営は市町村ではなく都道府県が担う方向になっています。
これに加え、同省は74歳未満の国保加入者についても18年度から都道府県を担い手とする考えで、保険料収入と医療費支出などの財政のバランスをとる最終責任を都道府県が負う仕組みとします。今月開く有識者会議で議論し、新制度を盛り込んだ関連法案を来年の通常国会に提出する予定です。
現在、国保の保険料は市町村が医療費の水準や加入者の負担能力を踏まえて設定しています。ただ、高齢化率や所得水準の違いなどによって市町村間で保険料に最大4.8倍の格差があります。18年度以降は、都道府県が標準保険料を設定し、同じ都道府県内では保険料水準がほぼ均一になります。
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