国民健康保険(国保)の1人当たり医療費が、大企業の健康保険組合(健保)に比べて高いことが厚生労働省の実態調査で明らかになりました。
とくに40〜44歳では、国保加入者の1人当たり医療費は健保の約1.7倍となっています。
健康保険組合の連合体である健康保険組合連合会によれば、「健康診断が影響している」とのことです。
40歳から74歳を対象に生活習慣病の予防を目指す特定健康診査(メタボ健診)の受診率は、健保が約60%であるのに対して、国保は約28%にとどまっている点があげられます。
年代別にみると、40歳から44歳の国保加入者の医療費は年間で16万6286円となっており、健保の医療費の10万125円を大きく上回っています。
45歳から49歳でも国保は20万2942円であり、健保の約1.6倍となっています。
20歳未満の年齢では、国保と健保の加入者の医療費には大きな差はなく、30代から60代までの年齢層で医療費が高くなる傾向があります。
国保の加入者は無職者が5割超を占めており、平均年収は健保の加入者を大幅に下回り、体調が悪くても通院を控えたりして結果的に医療費が膨らんでいる可能性があります。
また、中高年の会社員が病気にかかって退職し、国保に移るケースもあります。
国保の財政は2008年度時点で2384億円の実質赤字となっており、高齢化が進むと医療費の支出が膨らみ、財政はさらに厳しくなる見通しです。
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