ここのところの非正規雇用の問題を受けて、厚生労働省は、介護・福祉業界における人材不足への緩和に向け、2万6千人の介護従事者の養成計画を打ち出しました。
失業者が介護福祉士の資格取得する際には、雇用保険の給付を通常よりも1年間延長するなどの支援が行われる予定となっています。
また、介護関連事業主が、介護の未経験者を雇用保険一般被保険者として新たに雇い入れ、6ヶ月以上定着した場合には、対象労働者の資格の有無にかかわず、助成金の支給対象となります(「介護未経験者確保等助成金」)。なお、この助成金のは、1人あたり6ヶ月ごとに25万円、年で総額50万円支給されます(最大3人までの雇入れが対象)。
ただ、一方で、介護・福祉分野における人材不足は、過酷な労働環境に大きな要因があるとみられます。人手不足でありながらも、介護関連有資格者の多くが離職しているという現実は、何よりそのことを物語っています。
したがって、介護現場での雇用環境の向上は急務となっています。
そこで、現在の環境の改善を目的として創設されたのが、「介護雇用管理助成金」です。現状を考えれば、新規雇用と雇用環境改善は、同時に行われるべきところであり、「介護未経験者確保等助成金」と「介護雇用管理助成金」はセットで受給したいところですが、現時点では、同時に受給することが非常に難しい状況です。厚生労働省の介護未経験者確保等助成金のパンフレットにも、同一事由による併給(上の2つの助成金を同時に受ける事)ができないと書かれています。
そこで、現時点においては、長い目で見て、「介護雇用管理助成金」を活用して、職場環境の向上に努めたうえで、その後、1年以上経過後に「介護未経験者確保等助成金」の活用を検討してみるというのも有望な選択肢であると考えられます。
介護関係者におかれましては、ご検討をお勧めいたします。
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