知的障害の程度を過小評価され、障害基礎年金の支給を認められなかったとして、滋賀県の知的障害者6人が国を相手に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が19日、大津地裁でありました。石原裁判長は、基準の不備は認めなかったものの、6人全員の障害について「年金受給の程度に達していた」と判断し、不支給処分を取り消しました。障害者の年金認定をめぐる処分取り消しは異例です。
訴えていたのは、滋賀県内の25〜29歳の男女6人で、いずれも軽度の知的障害があります。周りの指示などがなければ服を着替えることができない人もいるということです。
判決によると、6人は2003〜05年度、障害基礎年金の支給を請求しましたが、同県の草津社会保険事務所(現在:草津年金事務所)は、障害基礎年金2級に該当しないとして、不支給処分を決定しました。しかし、原告6人のうち5人が2006年から2008年度に再請求すると、一転して支給が認められたということです。
原告側は、「国民年金法施行令の等級表は、知的障害や精神障害について身体障害の程度と比較して判断するように定めており抽象的」「等級表を補足する厚生労働省の実務用の認定基準内容も具体的でなく、認定者の主観で結論が左右される余地がある」などと問題を訴えていました。
判決では、基準の不備は認められませんでしたが、不支給処分は取り消されました。
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