政府の緊急雇用対策本部に設置された「貧困・困窮者支援チーム」は、年末年始の失業者対策として30日、全国のハローワーク77カ所を拠点に「ワンストップ・サービス」を試行し、相談を受け付けます。「派遣村を繰り返さない」が合言葉であり、失業率は過去最悪レベルで推移、10月の完全失業者数は344万人と、依然として雇用状況は厳しく、失業者が安心して年を越せる対策実現に向け、試験的に実施するものです。
政府は10月、緊急支援措置と雇用創造を2本柱に緊急雇用対策本部を設置しました。就職活動を支援するジョブサポーターを配置し、高校、大学など新規学卒者の就職支援を実施したり、厳しい経営が続く中小企業に対しては、生産減少で休業させる従業員に賃金補償する雇用調整助成金の支給要件緩和などで支援しています。また働きながら介護の資格を取るプログラムや、農業や環境などグリーン産業で雇用創造を検討しています。
この緊急雇用対策の年末の目玉は、失業者が住宅確保やつなぎ資金の融資、生活保護など多様な支援策についてハローワークで相談できるワンストップ・サービスです。
導入のきっかけは、昨年の年末年始に東京・日比谷公園に開村した「年越し派遣村」でした。村には「派遣切り」された派遣労働者や期間労働者、失業が長期化する野宿者らが、6日間で500人以上集まりましたが、職も住居も失った派遣労働者らに食事と寝場所を支援する中で、融資制度や雇用保険、住宅支援などの支援策が複雑で、対応する窓口もばらばらだったため、多くの人が利用できていないことが分かったもので、役所の窓口をたらい回しにされ、支援が使えないまま野宿に近い状態になっていました。
村では、それぞれの事情に合わせて利用できるサービスにつなぐ総合相談が有効に機能し、約8割の村民が生活保護を受給する形で住居を確保しました。
その後、住宅を借りる費用の融資や生活費の融資、生活費給付付きの職業訓練の創設など、生活保護を利用する以前の「第2のセーフティーネット」が整備されたこともあり、こうした支援を有効活用できるよう、1カ所で相談を受け付けるワンストップ・サービスが開設されることになりました。
ワンストップ・サービスでは(1)職業相談(2)職業訓練の受講、生活資金の給付(3)住宅入居初期費用の貸し付け(4)求職者が利用できる公営住宅の情報提供(5)住宅手当(6)生活保護(7)生活福祉資金の貸し付け(8)心の健康相談(9)多重債務−−など多彩な相談ができる。通常ハローワークでできる相談以外に、自治体や社会福祉協議会、保健所、弁護士などが対応する項目もあります。
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