違法な勧誘で電話機のリース契約を結ばせたとして業務停止命令を受け、破産した訪問販売会社「メディアサポート」(大阪市)の役員と社員計12人について、厚生労働省は、破産会社に代わって支給する未払い賃金立替払制度を適用しないことを決めました。未払い分は総額約340万円で、「違法な営業を行っていた社員らを公金で救済するのはおかしい」という破産管財人の訴えを認めた形になります。同制度の適用を見送ったのは初めてです。
破産管財人の白出博之弁護士によると、営業マンらが「黒電話は近く使えなくなる」などと偽って高額な業務用電話機のリース契約を高齢者らと結んだなどとして、経済産業省は2006年7月、特定商取引法違反で同社に3か月間の業務停止命令を出していました。
同社は6日後、約30億円の負債を抱え、大阪地裁に破産を申請。被害にあった顧客は約430人を数えたましが、回収された約3900万円は納税などが優先され、被害者には配当されませんでした。
白出弁護士は、役員と違法勧誘をしていたことが確認された社員について立替払制度を受けられないよう、同制度の利用条件となる管財人の賃金未払い証明書を発行しないことにしました。同制度には違法企業の社員であることを理由に支給を拒む規定はありませんが、白出弁護士は「不正な手段で営業した役員や社員を保護するのは問題」と主張し、厚労省も同制度の適用を見送ることを了承したといいます。
破産前、同社役員は基本給で月120万円以上、営業担当社員も数十万円を受け取っていました。
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