厚生労働省は11日、来春卒業予定の高校生の求人・求職状況を発表しました。これによると7月末の求人数は約13万5千人で、前年同期比48.8%減と半分近くに落ち込み、1985年卒の調査開始以降、最大の減少幅となりました。求人倍率は前年の1.31倍から0.71倍に下落し、4年ぶりに1倍を切っています。雇用情勢の悪化で、新卒者の就職環境は厳しさを増しており、関係者からは就職氷河期の再来を懸念する声も上がっています。
厚労省は「昨秋以降の世界同時不況の影響で、企業に採用を手控える動きがある」(若年者雇用対策室)とコメント、特に製造業や卸売り・小売業での求人数の減少が目立っています。
就職を希望する生徒数は、大学などへの進学が増えたことから19万1千人で、前年より5.5%減ったものの、 就職を希望する生徒1人に対し、何件の求人があるかを示す求人倍率は、すべての都道府県で前年を下回りました。東京の2.62倍が最も高く、1倍を超えたのは愛知(1.35倍)、大阪(1.46倍)、香川(1.04倍)のわずか4都府県にとどまりました。最も低かったのは、沖縄の0.11倍で、地域間での格差が目立っています。
日本高等学校教職員組合の佐古田博・教文部長は「就職試験を受けることすらできない就職氷河期の再来ともいうべき事態だ。政府や企業、自治体に高校生の就職を保障する努力を求めたい」と話しています。
高校生の就職活動は16日から解禁されますが、例年、年度末までに求人数が増える傾向にあるといいます。厚労省はハローワークなどを通じた積極的な求人の開拓などで、支援を強化していくとしています。
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